転職の手続き一覧。会社から受け取る書類と、空白期間の保険・年金
退職日が決まったのに、会社から何をもらい、次の会社に何を出せばいいのか分からない。手続きを漏らして、後から請求が来るのが怖い。そんな人のための一覧です。
先に結論です。
- 会社から受け取るのは**源泉徴収票・雇用保険の被保険者番号・離職票(要る人だけ)**の3つ
- 次の会社に出すのは源泉徴収票と被保険者番号の2つ
- 住民税の残りの払い方は、間が空かない人も確かめる
- 退職日と入社日の間が1日でも空くなら、健康保険・国民年金も自分で手続きする
根拠は、国税庁・厚生労働省・日本年金機構・協会けんぽ・総務省などの公的な資料です。
まず何を確かめる?退職日と入社日の間が空くかどうか
最初にやるのは、退職日と入社日を並べて、間の日数を数えることです。間が空かなければ、自分で役所に行く手続きはほぼ要りません。住民税だけは、間の日数に関係なく確かめます。
見本(日付は例): 退職日が10月31日の人
- 入社日が11月1日 → 間は0日。「会社から受け取る」「次の会社に出す」と「住民税」の節を見る
- 入社日が11月16日 → 間は11月1日〜11月15日の15日。上の3つに加えて、健康保険・国民年金も自分でやる
- 次の会社が決まっていない → 間は未定。最後の節「次が決まらないまま辞めるなら」まで読む
数えたら、下の表で自分の行に印を付けます。
| 間の日数 | 会社から受け取る | 次の会社に出す | 健康保険・国民年金 | 住民税 |
|---|---|---|---|---|
| 0日(翌日に入社) | やる | やる | 次の会社で入る | 退職する月で変わる |
| 1日以上 | やる | やる | 自分で手続き | 退職する月で変わる |
| 次が決まっていない | やる+離職票 | 決まってから | 自分で手続き | 退職する月で変わる |
内定の前の段から順番を確かめたい人は、『営業・接客職の転職対策』に、経験の整理から退職までの7段をまとめています。
会社から受け取るものは?
受け取るのは3つです。源泉徴収票は、会社が退職の日以後1か月以内に渡すと法律で決まっています。
| 書類 | いつ | 何に使う |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 退職の日以後一月以内(所得税法) | 次の会社の年末調整 |
| 雇用保険の被保険者番号が分かるもの(被保険者証など) | 退職前に手元にあるか確かめる | 次の会社が出す資格取得届に書く |
| 離職票 | 次が決まっていない人だけ | 基本手当(いわゆる失業手当)を受けるとき |
源泉徴収票は、退職日の後に届くこともあります。いつ・どこに届くかを、退職前に聞いておきます。
見本(そのまま使える一言): 最終出社の前に、人事や総務へ
退職の手続きで3点確認させてください。源泉徴収票はいつ・どこに届きますか。雇用保険の被保険者証が手元に見当たらないのですが、番号を教えていただけますか。離職票は、(要る/要らない)です。
次の会社に出すものは?
出すのは、源泉徴収票と雇用保険の被保険者番号の2つです。どちらも、入社書類の中で求められます。
- 源泉徴収票: 年の途中で入社した人の年末調整は、前の会社の源泉徴収票で給与と税額を確かめて行います。確かめられないと年末調整はできず、自分で確定申告をすることになります
- 被保険者番号: 次の会社がハローワークに出す「雇用保険被保険者資格取得届」に番号の欄があります。被保険者証を持っている人は、そこに書いてある番号を書きます
このほかの入社書類は、次の会社の案内に従います。
見本(入社書類の読み方): 入社書類にこう書いてあったら
- 「前職の源泉徴収票(本年分)を提出してください」→ 前の会社からまだ届いていなければ、届く時期を人事に伝える
- 「雇用保険被保険者番号」→ 被保険者証の番号を写す。手元に無ければ、前の会社に聞いた番号を書く
源泉徴収票が届かないまま年末が近づいたら、まず前の会社に催促します。届かない限り年末調整はできず、確定申告になります。
間が空くとき、健康保険はどうする?
道は2つです。前の会社の健康保険を続ける「任意継続」か、住んでいる市区町村の国民健康保険に入るかです。
| 任意継続(協会けんぽの場合) | 国民健康保険(大阪市の案内) | |
|---|---|---|
| 入れる条件 | 退職日まで(資格喪失日の前日まで)に、健康保険に続けて2か月以上入っていた | 会社の健康保険を抜けた |
| 期限 | 資格喪失日(退職日の翌日など)から20日以内に申出書を出す(20日目が土日・祝日なら翌営業日) | 14日以内に区役所へ届出(世帯主が出す) |
| 入れる期間 | 2年間 | ― |
| 書類が間に合わないとき | ― | 期限内に区役所に相談する |
会社の健康保険組合に入っている人は、条件と期限を組合の案内で確かめてください。国民健康保険の窓口と持ち物は、住んでいる市区町村の案内で確かめます。
資格確認書は退職日までしか使えない
退職日の翌日からは、手元の資格確認書を使ってはいけません。協会けんぽの案内では、誤って使うと、医療費の総額の7〜9割(協会けんぽが負担した分)を返すことになります。
協会けんぽの場合、返すもの・捨てるものは次のとおりです。
- 有効期限内の資格確認書(家族の分も)→ 勤め先へ返す
- 従来の健康保険証・資格情報のお知らせ・期限切れの資格確認書 → 返さなくてよい。自分で捨てる
健康保険組合に入っている人は、返し方を組合の案内で確かめてください。
見本(日付は例): 退職日10月31日・入社日11月16日の人
- 11月1日が資格喪失日。ここから20日以内に任意継続の申出書を出すか、14日以内に国民健康保険の届出をする
- 10月31日を過ぎたら、前の会社の資格確認書で病院にかからない
国民年金の切り替えはいつまで?
退職日の翌日から14日以内に、住んでいる市区役所か町村役場で届け出ます。会社の厚生年金を抜けて、国民年金の「第1号被保険者」になるための届出です。
- 出すもの: 国民年金被保険者関係届書
- 出す先: 住所地の市区役所・町村役場
- 期限: 退職日の翌日から14日以内
健康保険を国民健康保険にする人は、同じ日に同じ役所で済ませると漏れません。
住民税は、辞めるとどうなる?
給料から引かれていた住民税(特別徴収)は、辞めると引けなくなります。残りをどう払うかは、辞める月で変わります。
| 辞める月 | 残りの住民税 |
|---|---|
| 1〜5月 | 申し出なくても、最後の給与や退職金から残りを一括で引かれる |
| 6〜12月 | 申し出れば、最後の給与や退職金から一括で引いてもらえる |
6〜12月に辞めて一括にしない人は、残りの払い方を会社の給与担当に確かめます。一括なら、最後の給与から引かれる額が増えます。
見本(そのまま使える一言): 給与担当へ
住民税の残りは、最後の給与から一括で引かれますか。一括でない場合、残りはどう払えばいいですか。
次が決まらないまま辞めるなら、何が増える?
増えるのは、離職票を受け取ることと、基本手当の「給付制限」を知っておくことです。正当な理由の無い自己都合で辞めた人は、基本手当がすぐには出ません。
令和7年4月1日以降に辞めた場合は、次のとおりです。
| 辞め方 | 給付制限 |
|---|---|
| 正当な理由の無い自己都合 | 原則1か月 |
| 退職日から遡って5年間に、正当な理由の無い自己都合退職で受給資格決定を2回以上受けている | 3か月 |
自分の辞め方が「正当な理由」のある自己都合に当たるかは、ハローワークで確かめます。
健康保険・国民年金・住民税も、上の節のとおり自分でやります。次が決まるまで手続きが続くので、退職前に離職票を出してもらえるか会社に確かめておきます。
次の行き先を転職エージェントと一緒に決めたい営業職の人は、『おすすめの転職エージェント4社を比較【2026年】』に、自分に合う相談先の選び方をまとめています。
今日からやること
- 退職日と入社日を書き出し、間の日数を数える。 最初の節の表で、自分の行に印を付けます
- 人事に3点を聞く。 源泉徴収票が届く時期・被保険者番号・離職票が要るかどうか。上の見本の一言をそのまま送れます
- 間が空くなら、役所に行く日を決める。 退職日の翌日から14日以内に、国民年金(と国民健康保険)の届出を1回で済ませます
まだ次が決まっていない人は、『営業を辞めたい人の転職先は3つ』で、いまの限界の原因から行き先の方向を決められます。
