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キャリアアドバイザーに未経験でなれる?人材紹介の現場で見た仕事の本音

キャリアアドバイザーに未経験でなれる?人材紹介の現場で見た仕事の本音

人の相談に乗る仕事がしたい。でも人材業界はきつい、数字に追われると聞いて迷っている人へ。

  • キャリアアドバイザー(CA)は、営業経験やカウンセリング経験がなくても応募できると答えている会社があります
  • CA とリクルーティングアドバイザー(RA)は、同じ会社でも相手も仕事の中身も違います。CA の目標は多くの会社で売上(就職が決まったときに企業から入る手数料)です
  • 上場する人材会社4社の有価証券報告書では、平均勤続年数は3.9年〜6.2年(うち2社は持株会社の社員の数字)。求人票で「評価の中身」と「キャリアチェンジの制度」を見て、長く働ける会社を選びます

この記事の根拠は次のとおりです。

  • 人材会社の採用ページと有価証券報告書、厚生労働省の集計、民間の調査会社の調査
  • 僕自身の経歴。人材系の会社で、新卒採用サービスの法人営業と、人材紹介で企業を新規開拓する営業をしていました。CA・RA と一緒に働いていたので、CA・RA の考え方とやり方は分かります

キャリアアドバイザー(CA)とRAは何が違う?

CA は転職したい人の担当、RA は採用したい企業の担当です。「人の相談に乗りたい」が理由なら、応募するのは CA の求人です。

パーソルキャリアの仕事紹介の資料では、次のように定義されています。

キャリアアドバイザー(CA)リクルーティングアドバイザー(RA)
相手「doda」に登録している転職希望者主に既存顧客(採用したい企業)
会社の定義転職・就職やキャリア形成のサポートを行う仕事人材紹介サービスの法人営業担当として、中途領域の採用支援を行う「法人営業職」

同じ資料では、RA の仕事を「①採用ニーズをキャッチ・求人の獲得→②企業へのヒアリング→③求人情報の紹介→④広報・推薦→⑤各種選考のフォロー」の5ステップで説明しています。RA は会社自身が「法人営業職」と呼ぶ仕事です。

求人票の職種名は、次のように読み分けます。

見本(数字は例): 求人票の職種名の読み方

  • 「キャリアアドバイザー」「転職支援」と書かれている → CA の求人。相手は転職したい人
  • 「リクルーティングアドバイザー」「法人営業(人材紹介)」と書かれている → RA の求人。相手は採用したい企業
  • 「営業・キャリアアドバイザー職」のようにまとめて書かれている → どちらに配属されるかは面接で聞く

面接での聞き方の例:

「入社後は、求職者の担当と企業の担当のどちらに配属されますか。追う数字はどちらも同じですか」

同じ会社の中でも、相手が違えば追う数字も変わりえます。まとめて書かれた求人ほど、配属を先に確かめてください。

未経験でもキャリアアドバイザーに応募できる?

応募できると答えている会社があります。パーソルキャリアの中途採用サイトのよくある質問では、次の2つに「はい、可能です」と回答しています。

  • 「営業経験(法人または個人)がなくても応募できますか?」→「販売・サービス業等で店舗やサービスの売上げ向上に向けた取り組みをしてきた方なども多く活躍しています」
  • 「人事・採用領域やカウンセリング等の経験がないですが、キャリアアドバイザー等に応募できますか?」→「業務に必要な知識やスキルは研修や実務を通して学びながら取り組んでいただけます」

パーソルキャリアの場合は、販売・サービス業の人も応募の対象に入っています。応募するなら、店の売上げを上げるために何をしたかを、自分の言葉で話せるようにしておきます。

話す中身は、次の型に入れると伝わります。

見本(数字は例): 「売上げのために何をしたか」を話す型

型: 『〈どこで〉〈何が課題か〉に気づき、〈何を〉〈どのくらいの期間〉続けて、〈どう変わったか〉』

接客・販売の人の場合(販売4年・個人の数字は残っていない人の型)

悪い例: 接客を頑張り、店の売上げに貢献しました。

  • 足りないもの: 何に気づいて、何をしたかが無い。誰でも言える一文になっている

良い例: 試着しても買わずに帰るお客さまが平日の夕方に多いと気づき、試着室の前でかける一言を店のスタッフ5人で決めました。3か月続けて、店の月の売上げが前年を上回る月が増えました。

  • 足したもの: 気づいた課題・自分が動いたこと・続けた期間・店の結果(個人の数字が無くても、店の数字で言える)

営業の人の場合(営業3年・細かい数字は覚えていない人の型)

悪い例: 担当エリアの新規開拓で、目標を達成しました。

  • 足りないもの: どうやって達成したかが無い。CA の仕事とのつながりも見えない

良い例: 担当の法人40社で、話を聞いてもらえない会社が多いと気づきました。訪問の前に相手の困りごとを1つ調べて行く形に変え、半年で新規12社と契約しました。相手の話を聞いて合う提案を探す点は、CA の仕事にも通じると考えています。

  • 足したもの: 相手に合わせて変えたこと・期間と結果・CA の仕事とのつながり

資格は入社後に取る道もあります。国家資格のキャリアコンサルタントについては、同じよくある質問で「国家資格キャリアコンサルタントやTOEICなどへの補助があります」と答えています。

人材業界は伸びている?みんな何年くらい働いている?

人材紹介は伸びている市場です。働く人の数字は、上場する人材会社の有価証券報告書で見られます。

市場の数字は次のとおりです。

  • 厚生労働省の集計(令和6年度・速報): 有料職業紹介事業の手数料収入は約9,835億円(前年度比17.6%増)
  • 同じ集計: 事業報告を出した有料職業紹介事業所は30,561事業所、うち就職実績のあった事業所は13,946事業所
  • 矢野経済研究所の調査: 2024年度のホワイトカラー職種の人材紹介業市場規模は、事業者売上高ベースで4,490億円(前年度比12.0%増)

市場は伸びていても、就職実績のあった事業所は報告を出した事業所の一部です。どの紹介会社でも同じ、とは言えません。

会社(有価証券報告書の対象)従業員数平均年齢平均勤続年数平均年間給与
パーソルホールディングス(提出会社・2025年3月31日現在)647名40.9歳6.2年8,193,686円
ジェイエイシーリクルートメント(提出会社・2025年12月31日現在)2,002名35.0歳3.9年8,159千円
エン・ジャパン(提出会社・2026年3月31日現在)2,014名31歳0ヶ月4年11ヶ月5,401千円
Visional(提出会社=持株会社・2025年7月31日現在)116名38.6歳5.2年8,613千円

この表には読み方の注意が3つあります。

  1. パーソルホールディングスと Visional は、グループをまとめる会社の社員の数字です。CA が働く事業会社の数字ではありません
  2. 平均年間給与は、提出会社の社員(臨時雇用を除く)の平均です。未経験で入った人の給与ではありません。入社時の給与は求人票の提示額で見てください
  3. 平均勤続年数は、採用を増やしている会社ほど短く出ます。短い=人が辞める会社とは限りません。平均年齢と並べて見てください

気になる会社の有価証券報告書を開いたら、次の順で読みます。

見本(数字は例): 有価証券報告書の1行の読み方

提出会社 従業員数1,200名・平均年齢32歳・平均勤続年数4年

  • まず、事業会社か持株会社かを見る → 事業会社なら、CA が働く会社の数字に近い
  • 次に、平均年齢と並べる → 若い人を多く採っている途中なら、勤続年数は短く出る
  • 給与の欄は提出会社の社員(臨時雇用を除く)の平均 → 自分の入社時の給与は、求人票の提示額で見る

営業職のまま年収を上げる道と比べたい人は、『SaaS営業の年収は本当に高い?上場14社を並べてわかったこと』に上場企業の数字をまとめています。

人材業界が「きつい」と言われるのはなぜ?

就職が決まって、はじめて売上が入る仕組みだからです。

  • 人材紹介は、求職者からはお金を取らない
  • 採用した企業が、紹介会社に手数料を払う
  • 厚生労働省の集計では、常用就職1件あたりの手数料は約103万円(前年度比10.9%増)

だから CA の目標は、多くの会社で売上です。支援した人数や内定承諾の数を目標に置く会社もありますが、根っこは「就職が決まって手数料が入るか」です。

ここからは僕の例です。僕は人材系のメガベンチャーで、2つの営業をしていました。

  1. 新卒向けのダイレクトリクルーティング(企業が学生にスカウトを送るサービス)を、企業に売る法人営業
  2. 新卒の人材紹介の新規開拓営業(紹介を使ってもらう企業を開拓する営業)

社内には CA も RA もいて、一緒に働いていました。僕がいちばんきつかったのは、次の2つです。

  • 労働時間の長さ
  • ひたすら電話営業をすること。同じことを繰り返さないといけない。断られたり迷惑がられたりするのが、精神的にきつかったです

一方で、法人営業だった僕の評価は、数字だけではなくコンピテンシー評価でした。思考力・分析力・専門性などの項目ごとに評価され、その総合評価になります。

評価の仕組みは会社ごとに違います。パーソルキャリアは「6ヶ月毎に上長との評価ミーティングが設けられており、業務レベルやスタンスの向上に合わせて昇給・昇格の判断をしています」と答えています。

どの数字をどれだけ重く見るかは会社で違うので、面接で確かめます。聞き方で、返ってくる答えの中身が変わります。

見本(数字は例): 面接で評価を聞く質問

悪い例: 「ノルマはきついですか?」

  • 足りないもの: 「人によります」で終わりやすい。何の数字で見られるのかが分からない

良い例: 「CA の目標は売上ですか、それとも支援人数や内定承諾数ですか。評価は何ヶ月ごとで、数字以外の項目はありますか」

  • 足したもの: 何の数字・何ヶ月ごと・数字以外の項目。答えをそのまま会社どうしで比べられる

キャリアアドバイザーの仕事は「相談に乗る」だけ?

相談に乗るだけではありません。相談の先で、求職者に合って決まりやすい求人を探し当てる仕事です。

これも僕の例です。人材紹介で企業を新規開拓する営業として、CA と一緒に働いていた立場で見てきた範囲の話です。CA は初回面談で、紹介できる求人の中から、次の3つのバランスを考えて求人を探しています。

  • 選考に通る可能性
  • 本人の希望
  • 紹介 fee(企業から入る手数料。CA の売上になり、インセンティブにもつながる)

未経験で入った CA が最初につまずくのは、求職者の内定や内定承諾が出ないこと。つまり、成果が出ない状態です。

内定や内定承諾が出やすい求人は、ある程度決まっています。CA にとっての「当たり求人」を見つけられるかどうかが分かれ目でした。

応募の前に、この中身を自分が続けたいかを確かめます。次の問いに、自分で答えてみてください。

  • 希望を聞くだけでなく、「この求人なら通りそうか」も一緒に考えるのが苦にならないか
  • 内定が出ない人が続いても、求人を探し直せるか
  • 売上(紹介 fee)を意識しながら、本人の希望とのバランスを取ることに納得できるか

迷う問いがあれば、面接で「未経験で入った CA は、最初は何を目標にしますか」と聞いてみてください。

人材業界で働いたあとのキャリアは?

行き先はいろいろで、営業以外へのキャリアチェンジも多いです。僕の周りで人材業界を辞めた人の行き先は、次のとおりです。

  • 営業以外へのキャリアチェンジ
  • よりホワイトで稼げる SaaS やコンサル
  • ベンチャーへの転職や、起業

僕自身もいまは上場 SaaS でインサイドセールスをしていて、定時で帰り、年収は+100万になりました。

会社の中で道を変える制度もあります。パーソルキャリアの「キャリアチャレンジ制度」は次のとおりです。

  • 社員が自ら異動を希望して選考を受ける制度で、年2回ある
  • 累計異動者数は500名以上で、グループ100社を超える各社内で異動が実現しているそうです
  • 求人広告営業から CA へ異動した社員の例も載っている

こうした制度は、求人票や採用ページの1行で探します。

見本(数字は例): 求人票の制度の1行の読み方

「社内公募制度あり(年1回)。入社2年目から応募可」

  • 制度の名前より、「いつから」「年に何回」応募できるかを見る
  • 書かれていなければ、面接で「CA から別の職種に移った人はいますか」と聞く

人事に移る道が気になる人は、『人事に未経験で転職するには?営業経験を活かせる「採用担当」から入る』で入口の求人をまとめています。

今日からやること

今日できることは3つです。

  1. 気になる人材会社の求人を1つ開き、職種名が CA か RA か、まとめて書かれていないかを見る
  2. 同じ求人で「評価の仕方(何の数字・何の項目・何ヶ月ごと)」と「異動やキャリアチェンジの制度」が書かれているかを見る。無ければ面接で聞く項目にメモする
  3. その会社が上場していれば、有価証券報告書の平均勤続年数を見る。事業会社か持株会社かを確かめ、採用が多い会社ほど短く出るので平均年齢と並べて見る

CA 以外の職種も並べて考えたい人は、『未経験転職でおすすめの職種は?』が入口になります。

CA を目指す前に、求職者としてエージェントを使ってみる

自分が求職者としてエージェントを使うと、CA の仕事を相手側から見られます。僕が CA と働いて見てきた、上手な使い方は3つです。

  1. 悩んだまま相談してもいいが、悩んだまま選考に進まない。「あなたと転職を進めたいと思っているので、協力してほしい」と伝えて、二人三脚で進める
  2. 二人三脚で進められないと思うほど信頼がない、能力がないと感じたら、エージェントを替える
  3. エージェントしか持っていない情報を聞く。過去の候補者がどんな質問をされ、どんな点を評価されて内定が出たのか。企業の人事や社員はどんな人か(社風)

人材会社の CA の求人は、パーソルキャリアの「営業・キャリアアドバイザー職」のように、営業職の枠で出ることがあります。CA ではなく、営業職のまま会社を変えて年収と働き方を上げる道も比べたい人は、『おすすめの転職エージェント4社を比較【2026年】』を見てください。転職エージェントの違いと、自分に合う相談先の選び方をまとめています(CA の求人を探すための記事ではありません)。

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