最終更新日: 本記事は広告を含みます

未経験転職でおすすめの職種は?営業・接客から移る先を給料で比べた

未経験転職でおすすめの職種は?営業・接客から移る先を給料で比べた

ノルマも詰めももう限界で「営業(接客)以外なら何でもいい」。でも事務・エンジニア・人事のどれなら未経験で入れるのか分からない。

そんな人に向けて、先に結論です。

  • 販売店員・飲食物給仕からなら、IT(情報処理・通信技術者)の区分。倍率が1.50倍で求人が求職者より多く、ソフトウェア作成者の20代の相場も今より上です。事務も相場は上ですが、求職者のほうが求人より多い職種です
  • 機械器具・通信・システム営業からなら、営業以外の職種で20〜24歳・25〜29歳とも相場が上なのはシステムコンサルタント・設計者だけ。25〜29歳ではソフトウェア作成者も上回ります。ほかの職種は、営業のまま会社を変える案と比べてください
  • 決め手は2つ。〈求職者が求人より多いか〉〈求人票の提示額が今の給与より下がるか〉。この2つで、今日応募する職種と準備してから狙う職種に分かれます(判定の表は記事の後半)

根拠は、厚生労働省の職業別の有効求人倍率(令和8年7月)と、賃金構造基本統計調査(令和7年)の職種別の給与、転職支援会社の公表データです。

営業・接客から別の職種に移る人は多い?

割合で見ると多いです。未経験の職種に移ること自体は、営業・接客の人にとって珍しくありません。

  • 接客・販売から: リクルートの公表では、リクルートエージェントで転職が決まった人のうち、2020年度に経験職種が「接客・販売・店長・コールセンター」だった人の「異業種×異職種」の割合は65.4%で、特に高い割合でした。業種も職種も変えて移った人の割合が高い、ということです
  • 営業から: ある転職支援サービスの公表では、前職が「営業職」だった人のうち、2023年度の未経験職種への転職が占める割合は約40%でした
  • 年代で見ると: 同じリクルートの2020年度の公表で、リクルートエージェントで転職が決まった人を年代別に見ると、「異業種×異職種」は20〜24歳で52.0%と特に割合が大きく、年代が上がるにつれて割合は減っています

珍しくない分、書類や面接では「なぜその職種か」が問われます。「営業以外なら何でもいい」を、行き先を選んだ理由の1行に直しておきます。

見本(数字は例): 職種を変える理由の1行

  • 型: 「〈今の仕事〉で〈年数〉、〈やってきたこと〉をしてきました。その〈強み〉を、〈行き先の仕事〉の〈場面〉で使いたいと考えています」
  • 悪い例: 「営業以外の仕事がしたいと思い、志望します」
    • 足りないもの: 今の仕事を離れたい理由だけで、行き先を選んだ理由が無い
  • 良い例(販売から事務へ): 「販売で4年、1日30人ほどのお客様の要望を聞いて商品を提案してきました。その聞く力を、営業を支える事務の問い合わせ対応で使いたいと考えています」
    • 足したもの: やってきたことの年数と量、それを行き先のどの場面で使うか
  • 良い例(営業から採用担当へ): 「法人営業で3年、月40件のアポから商談・受注までの数を追ってきました。その数の追い方を、採用の応募から内定までの管理で使いたいと考えています」

営業から移る先の選択肢をもっと大きく知りたい人は、『営業を辞めたい人の転職先は3つ』に、外さない選び方と確かめ方をまとめています。

求人の多さと給料を1つの表で比べると?

営業より倍率の高い職種は、この表にはありません。給料は、今の職種によって上がる人と下がる人に分かれます。

見るのは次の2つです。

  • 入りやすさの目安: 有効求人倍率。求人の数を求職者の数で割ったもの。求職者のほうが多い職種ほど小さくなる
  • 給料: その職種で働いている同年代の給与の相場(所定内給与。月の給与で、残業代と賞与は含まない)

見本(数字は例): 倍率の読み方

  • 求職者が10人、求人が20件 → 2倍。求職者1人に求人が2件あり、選べる側にいる
  • 求職者が10人、求人が5件 → 0.5倍。1倍を切ると求職者のほうが多く、求人1件を2人で取り合う
職種(倍率の区分)有効求人倍率給与の区分20〜24歳25〜29歳
営業2.20倍機械器具・通信・システム営業(自動車を除く)266.8千円295.8千円
金融営業269千円305.6千円
保険営業260千円291.7千円
自動車営業249.6千円286.9千円
その他の営業262.2千円313.6千円
商品販売1.91倍販売店員234千円249.8千円
その他の商品販売263.3千円296.7千円
接客・給仕1.63倍飲食物給仕221.4千円242.9千円
娯楽場等接客員228.8千円243.8千円
情報処理・通信技術者(IT)1.50倍ソフトウェア作成者257.7千円299.6千円
システムコンサルタント・設計者337.4千円388.3千円
営業・販売事務0.87倍営業・販売事務243.8千円274.3千円
会計事務(経理)0.52倍会計事務239.8千円261.1千円
一般事務0.28倍総合事務員250.5千円279.6千円
庶務・人事事務員246.1千円274.7千円
  • 有効求人倍率: 令和8年7月・常用(パート除く)。ハローワークの求人と求職者の数なので、転職サイトに出ている求人の数とは別です。職業計は1.16倍
  • 給与: 令和7年・男女計・企業規模10人以上・一般労働者の所定内給与額(月の給与。残業代と賞与は含まない)。その職種でいま働いている人の平均で、未経験で入る人の提示額ではないので、相場の目安として見てください。入社時の給与は求人票の提示額で見ます
  • 倍率は、その職種の求人と求職者の釣り合いです。経験者向けの求人も含むので、未経験で入れる数や入りやすさそのものは、ここからは分かりません
  • 倍率と給与は別の調査で、職種の区分が一致しません。左の区分に近い給与の区分を並べています

表から読めることは3つです。

  1. 営業より倍率の高い職種は、この表に無い。 ハローワークの数で見ると、営業を離れればこの表のどの職種でも、求人1件あたりの求職者は今より多くなります
  2. 販売店員・飲食物給仕・娯楽場等接客員から見ると、事務・ITの同年代の相場は今より高い。
    • 20〜24歳で、販売店員(234千円)や飲食物給仕(221.4千円)より、総合事務員(250.5千円)もソフトウェア作成者(257.7千円)も高い
    • ただし、その他の商品販売(263.3千円)から見ると総合事務員の相場は低くなります
  3. 機械器具・通信・システム営業から見ると、多くの職種の同年代の相場は今より低い。
    • 20〜24歳で機械器具・通信・システム営業(266.8千円)より高いのは、営業・販売以外の行ではシステムコンサルタント・設計者(337.4千円)だけです
    • 25〜29歳では、ソフトウェア作成者(299.6千円)も機械器具・通信・システム営業(295.8千円)を上回ります
    • ただし20〜24歳では、自動車営業(249.6千円)から見ると、総合事務員(250.5千円)やソフトウェア作成者(257.7千円)の相場は上です
    • 25〜29歳では逆に、総合事務員(279.6千円)は自動車営業(286.9千円)より下です(ソフトウェア作成者は上)

事務・経理は狭き門。それでも狙うなら?

狙えますが、書類で選ばれる準備をしてから出します。事務と経理は、求人より求職者が多い職種だからです。

一般事務

  • 倍率: 0.28倍。この表でいちばん低い区分です
  • 給与の相場: 総合事務員で20〜24歳250.5千円、25〜29歳279.6千円
  • 販売店員や飲食物給仕から: 同年代の相場は今より高い区分です
  • 機械器具・通信・システム営業から: 20〜24歳で266.8千円の区分から250.5千円の区分に移ることになります

経理(会計事務)

  • 倍率: 0.52倍。一般事務より高いものの、求職者のほうが求人より多い職種です
  • 給与の相場: 20〜24歳239.8千円、25〜29歳261.1千円
  • 営業から: 20〜24歳・25〜29歳のどちらでも、表の営業の区分より低い相場の区分です

経理は「給与が下がっても移りたいか」を先に決めてから狙う職種です。

倍率が低い職種では、書類の段階で差がつきます。営業・接客の仕事の中にある「事務に近い作業」を、書類の最初に書きます。

見本(数字は例): 事務に応募するときの職務経歴書の1行

  • 型: 「〈今の仕事〉で〈事務に近い作業〉を〈量・頻度〉担当し、〈工夫や結果〉」
  • 悪い例: 「営業として顧客対応や事務作業を行いました」
    • 足りないもの: どの事務作業を、どれだけやったかが無い
  • 良い例(営業): 「法人営業3年。見積書と請求書を月20件ほど自分で作成し、受注後の納期の調整も担当しました」
    • 足したもの: 書類の種類と量、事務の工程(作成から調整まで)
  • 良い例(販売): 「店舗の発注と在庫数の確認を週2回担当。売上の日報をExcelで毎日まとめていました」
    • 足したもの: 作業の名前と頻度、使ったツール

書類で落ちる理由を先に知りたい人は、『書類選考が通らない20代の営業が、まず見直す求人票の読み方』に、求人票から直す手順をまとめています。

営業経験が武器になる職種はどれ?

採用担当(人事)・営業事務・企画は、営業の経験を「未経験」で終わらせず、応募の理由に変えられる職種です。相手(候補者・顧客・社内の営業)と話して数字を追う仕事は、営業でやってきたことと重なります。

採用担当(人事)

  • 給与の相場: 給与の区分では庶務・人事事務員に入り、20〜24歳246.1千円、25〜29歳274.7千円
  • 倍率: 資料に人事の独立した区分は無く、近いのは一般事務(0.28倍)です。一般事務と同じく、書類の準備をしてから出します
  • 営業と重なる所: 候補者と面談し、応募の数や通過の数を追う採用の仕事は、営業の動き方と近い仕事です

見本(数字は例): 営業の数字を採用の言葉に置き換える

  • 営業の「月40件のアポ → 商談10件 → 受注3件」は、採用の「応募 → 面接 → 内定」と同じ形です
  • 悪い例: 「人と話すのが好きなので、人事を志望します」
    • 足りないもの: 人事のどの仕事で、何を使うかが無い
  • 良い例: 「営業でアポから受注までの数を毎週追い、商談に進まない理由を探してきました。採用でも、応募から内定までのどこで減っているかを見て直したいと考えています」
    • 足したもの: 追ってきた数の段階と、採用のどの段階に重なるか

営業事務

  • 倍率: 0.87倍。事務の中では高い区分ですが、求職者のほうが求人より多い職種です
  • 給与の相場: 20〜24歳243.8千円、25〜29歳274.3千円
  • 応募の理由になるもの: 営業が何に困るかを知っていること。「営業の現場を知っている」ことを書類の最初に書ける人から狙う職種です

見本(数字は例): 営業事務の志望理由の1行

  • 悪い例: 「営業の経験があるので、営業事務でも役に立てると思います」
    • 足りないもの: 営業のどこを知っていて、事務で何ができるかが無い
  • 良い例: 「法人営業を2年。急ぎの見積もりが1日遅れて失注したことがあり、営業が事務に何を急いでほしいかを知っています」
    • 足したもの: 現場で困った場面と、それを事務の側からどう防ぐか

企画(経営企画・事業企画)

  • 移った人の割合: リクルートエージェントの2022年度の集計では、転職が決まった人のうち転職先が「経営企画・事業企画・業務企画」だった人の60.5%が異業種×異職種の転職でした。業種も職種も変えて入った人の割合が高い職種です
  • 入りやすさと給与: 倍率の資料には企画の独立した区分が無く、この記事の表では比べられません
  • 探し方: 求人票の提示額を今の給与と比べたうえで、「営業経験」を歓迎条件に挙げている会社から探します

見本(数字は例): 企画の求人票の読み方

  • 「歓迎:法人営業の経験(顧客の課題を聞き取った経験)」→ 営業経験が応募の理由になる求人
  • 「必須:事業企画の実務経験3年以上」→ 未経験では応募できない求人

エンジニアは「未経験を採る会社」を探すのがコツ

エンジニアは求人が求職者より多い区分ですが、狙うのは「未経験可」と研修の中身を書いている会社です。

  • 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は1.50倍で、職業計(1.16倍)より高い区分です
  • ただし表の注のとおり、この倍率から未経験で入れる数は分かりません

ソフトウェア作成者(プログラマー)

  • 給与の相場: 20〜24歳257.7千円、25〜29歳299.6千円
  • 今と比べると: 販売店員(234千円・249.8千円)から見ると高く、機械器具・通信・システム営業(266.8千円・295.8千円)とは近い水準です
  • 移った人: リクルートエージェントの2022年度の集計では、転職が決まった人のうち転職先が「インターネット専門職(Webエンジニア含む)」だった人の44.4%が異業種×異職種の転職でした
  • ただし: 2020年度の公表では、SEやインターネット専門職を経験した人が転職するときは、同業種×同職種に移る割合が3割前後と、他の職種より比較的高くなっていました

見るのは求人の総数ではなく、求人票に「未経験可」と書き、入社後の研修の中身まで書いている会社がいくつあるかです。

システムコンサルタント・設計者

  • 給与の相場: 20〜24歳337.4千円、25〜29歳388.3千円で、この表で最も高い区分です
  • 仕事: 設計や顧客との要件の整理を任される職種です
  • 探し方: 求人票の「必須経験」の欄を先に見て、未経験で応募できる求人かを確かめてください

見本(数字は例): エンジニアの求人票の1行の読み方

  • 見送る1行: 「未経験歓迎!研修制度充実」
    • 足りないもの: 研修の期間も中身も、研修後の配属先も無い
  • 応募する1行: 「入社後2か月はJavaの研修(社内の講師)。その後は自社サービスの開発チームに配属」
    • 書いてあるもの: 期間・中身・配属先
  • 未経験では出せない1行: 「必須:Webアプリの開発経験2年以上」

結局、自分はどの職種に応募すればいい?

2つの確かめで、今日応募する職種と、準備してから狙う職種に分けます。表の中で自分の今の職種の行と、行きたい職種の行に印を付けてください。

表の給与は相場の目安です。判定には、行き先の求人票に書いてある提示額を使います。

行き先の求人求人が求職者より多い求職者が求人より多い
求人票の提示額が今の給与より上か同じ今日応募する書類を直してから応募する
求人票の提示額が今の給与より下がる下がっても移る理由を決めてから応募する今の職種の中で会社を変える案と比べる

見本(数字は例): 2人の判定

  • 25歳・販売店員・月給22万円の人
    • プログラマーの求人(ITは求人が求職者より多い区分)で、提示額が月給23万円 → 上の左=今日応募する
    • 一般事務の求人(求職者が求人より多い区分)で、提示額が月給22万円 → 上の右=書類を直してから応募する
  • 27歳・法人営業・月給28万円の人
    • 営業事務の求人(求職者が求人より多い区分)で、提示額が月給24万円 → 下の右=営業のまま会社を変える案と比べる

営業・販売・接客以外の行き先で、求人が求職者より多いのは、表ではITだけです。倍率から未経験で入れる数は分からないので、その場合も「未経験可」と研修の中身が書いてある求人に絞って応募します。

下の段に入った人は、職種を変えずに会社を変える案も同じ机に載せてください。同じ営業でも、区分によって25〜29歳の相場は286.9千円から313.6千円まで幅があります。

営業のまま給与の上がる先を知りたい人は、『SaaS営業の年収は本当に高い?』に、上場SaaS 14社の平均年収と求人の年収レンジをまとめています。

今日からやること

  1. 表で自分の行と行き先の行に印を付ける。 上の2つの確かめで、今日応募する職種と準備してから狙う職種に分けます
  2. 今日応募する職種は、今日求人サイトで「未経験可」で探す。 求人票に提示額、研修の中身、配属先が書いてある求人から保存します
    • 検索の例: 職種「プログラマー」+「未経験可」+「研修」
  3. 準備してから狙う職種は、書類を先に直す。 営業・接客で追ってきた数字を、行き先の仕事の言葉に置き換えて書きます

「営業以外なら何でもいい」のまま応募すると、倍率の低い職種に集まり、書類で落ち続けます。行き先を表で1つに絞るだけで、今日から出す応募が変わります。

↑